FCAとPSAの合併。そろそろ話題にしても良いのかな・・・

プラス知識

こんにちは、ロッソです。

今年(2019年)の10月31日、マセラティの親会社であるFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)と、PSA(プジョーシトロエン)が合併の交渉を開始したと報道されました。

「えっ、今頃そんな記事書く?」なんて思われている方もいるでしょうね。

確かに、マセラティに関するブログを書いているわたしとしては、すぐにでも記事にすべきだったのでしょうが、まぁそこは、嫌な思い出もありまして・・・。

 

というのも以前の記事「FCAとルノーが経営統合。マセラティはどうなるか?」で、FCAとルノーの合併の話を取り上げたのですが、10日で撤回するという異例のスピード離婚(笑)。

 

ですからその後の記事「FCAとルノーの経営統合・・・もう撤回ですか」でもお伝えしましたが、わたし、「今後は時事ネタは取り扱わないようにしよう」と。

で、そんなわたしですが、今回の場合は発表から1ヶ月は経過しているので、「さすがにそろそろ書いてもいいかな」なんて事で、ようやくこの記事を書くことに。

まぁこの記事をアップした後に、「FCAとPSAの合併交渉が決裂」なんて報道があれば、それまでの話ですが(笑)。

FCAは焦っている?

まず、今年の6月にルノーとの経営統合が破談したばかりなのに、半年も経たないうちにプジョーと交渉だなんて、少し節操が無いような気もしますよね。

しかし実は、ルノーと交渉する前には、プジョーとの話も既にあったのです。

 

で、「ルノーがダメだから、とりあえずプジョーに行っとくか」と。

 

うーん、愛がない結婚のような(笑)。

まぁともかく、FCAの行動がこれだけ早いのにも理由があります。

現在、世界的に「CO2排出ゼロ」を目指すという事で、自動車業界はEV化への決断を迫られています。

特にヨーロッパは先進的ですから、イタリアに本社を置くFCAとしては死活問題ですよね。

しかし、EV化を進めるとなると、莫大な研究開発費を必要とします。となると、やはり規模の追求というのは仕方のない事かもしれません。

日本国内を見ても、TOYOTAとSUZUKIが提携するくらいですから、この流れはドンドン強まるでしょうね。

FCAとしては、この流れに取り残されない為に必死なんだと思います。

PSAとの統合は上手くいくのか?

で、一番の関心事は、「PSAとの統合は上手くいくのか?」という事かと。

前回、ルノーと折り合わなかった理由として、「フランス政府の介入」が一番の原因だったかと思います。

フランス政府としては、失業率の高いフランス国内において、自動車産業は何としても死守したいところです。

自動車産業って、雇用を生み出しやすいですからね。

FCAとしてもフランス政府にかなり譲歩したようですが、フランス政府のあつかましい・・・いえ、強力な圧力により(笑)、あえなく断念した経緯があります。

 

まぁ、フランス政府はルノーの大株主ですから、仕方がないといえばそれまでですが。

 

では、「プジョーもフランスのメーカーだよね」という事なんですが、確かにその通りで、フランス政府もファンドを通じてプジョーの株式を所有しています。ただ、ルノーほどの持ち分ではありませんので、あまり口出しできる立場にはありません。

ですから、ここはクリアできる・・・のかなと。

ただ、交渉次第では今後どうなるか分かりません。

FCAはオランダがお好き?

交渉が今後どうなるか分からない理由の一つとして、「統合後の本社をオランダに設立する」という事が挙げられるかと。

これ、ルノーの時にもFCAが提案していましたよね。傍から見ると「FCAってオランダがお好きなのね」と思ってしまいます(笑)。

まぁ、オランダに本社を設立する利点って、確かにあるとは思います。

オランダは「物流インフラが整っている」

例えば、「物流のインフラが整っている」という事。

オランダのアムステルダムにある「スキポール国際空港」からであれば、ロンドンのヒースロー空港や、パリやベルリンへも、大抵1時間程度で到着する事が出来ます。

また、オランダは海に面しており、ロッテムダム港は、ヨーロッパ最大のコンテナ取扱量を誇ります。

こう考えると、世界各地に自動車を輸出する会社としては便利に感じますよね。

「節税拠点」としても有名

ただ、理由はこれだけではありません。

 

というのも、「オランダは節税拠点としても有名」という事が考えられます。

 

ご存知の方も多いと思いますが、昔からオランダは多国籍企業の節税中継地として利用されています。

例えば、「ダブルアイリッシュ&ダッチサンドウィッチ」なんて言葉を聞いたことがないでしょうか?

これ、リンゴのマークの会社が1980年代から利用している節税手法として有名で、ダブルアイリッシュとは、アイルランドに会社を二つ設立する意味で、ダッチサンドウィッチとは、その間にオランダの会社を挟む、つまり「サンドする」という意味なのです。

 

うーん、色んな意味で美味しそうですね(笑)

 

これだけで、リンゴのマークの会社や、「ググる」で有名な会社などは年間数千億円分も節税してたそうですから、世界中から注目されるのも分かります。

「アメリカの企業ってずる賢いわ!」なんて思ったアナタ、日本の企業もしっかり利用してますからね(笑)。

しかしこの手法、近年では有名になり過ぎた事もあり、各国から批判を受ける事となりました。

で、オランダも自粛するようになった・・・と、世間的には言われていますが、まだまだオランダに本社機能を移転するメリットは残されています。

例えば、「駐在員の所得を複数年間30%非課税に出来る」とか、「ペーパーカンパニーでなければ、これまで通り税制優遇を受けられる」などというものがあります。

こう考えると、FCAがオランダに本社機能を移転したがるのも分かる気がしますね。

大株主の本社もオランダにある

また、FCAがオランダに本社機能を移転したがるには、「大株主の本社がオランダにある」という理由もあるかと思います。

FCAの大株主と言えば、アニェッリ家というイタリアの名門財閥一族。

この一族、エクソールという持ち株会社を通じて、FCAやフェラーリの株式の大半を所有しています。

イタリアの財閥なのですが、本社機能はオランダにあるという。

まぁ、こちらも節税目的なんだと思いますが(笑)。

PSAの株主がどう出るか?

こういった事も含め、今後PSAの株主がどう出るかという事でしょうね。

現在のPSA大株主は「プジョー家」「フランス政府」などですから、生粋のフランス企業という側面が強いかと思います。

以前の記事でもお伝えしましたが、フランスは昔から社会主義政策の傾向がありますので、こうした「海外への移転」などを激しく批判する傾向があります。

前述した通り、ルノーに比べPSAに対するフランス政府株式持ち分は少ないのですが、世論の反応次第では、どういった行動を起こすかも分かりません。

まぁ、暫くは「様子見」といったところでしょうか。

まとめ

個人的な感想としては、「プジョーかぁ・・・」というのが正直な気持ち。

いえ、プジョーがどうのという訳ではないのですよ。ただ、プジョーは小型車がメインですから、FCA傘下のフィアットとかぶる部分が多いのかなと。

だったらどうせなら、今までFCAが取り扱った事のない車種のメーカーの方が良いんじゃないかと。

まぁ、「車台の共通化」など、小型車同士のメリットもあるのでしょうね。

ともかく、「やっぱりルノーが良い!!」なんて、結婚式の直前で逃げ出すようなことは避けてもらえたらなと(笑)。