こんにちは、ロッソです。
全国あちこちで梅雨入りが報じられていますが、皆さんの地域では如何でしょうか?
さて、梅雨入りと共に、残念なニュースが報じられています。
それは、
「FCA、ルノーとの統合、白紙撤回」
という事。
前回の記事FCAとルノーが経営統合。マセラティはどうなるか?で、お伝えしたばかりなのに、たった10日ほどで撤回となりました。
だからわたし、時事ネタって苦手なんですよね(笑)。あぁ、書くんじゃなかった。
結局、マセラティも暫くは、現状維持という訳で。
そこで今回、何故10日という短い期間で、撤回に至ったのかについて考えてみようと思います。
目次
一番の理由は「フランス政府」
新聞記事を見ていると、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)が撤回を決断した理由は、フランス政府の介入が原因のようです。
まぁ、ある程度は予想していましたが、かなりキツイ介入だったようですね。
ルノーの取締役会で、FCAとの統合について話し合っていたところ、かなり紛糾したようです。
で、あまりにもまとまらないから「今日は、これくらいにしときましょ」という事で解散したら、その数分後にFCAの会長が「じゃあ、やめる」と発表したようです。
このFCAの会長、かなり決断の早い人ですね(笑)。
まぁ、この会長の気持ちもわからなくはありません。
この統合計画を発表する前には、フランスの関係各所を渡り歩いて、かなりの根回しをしていたようです。
にもかかわらず、交渉段階になって「フランスが有利になるようにしろ」と、あれこれ注文されるんですから、たまったもんじゃありません。
日産が苦労するのもわかりますね~。
ヨーロッパは、国ごとに感覚が違う
これは、ヨーロッパに行ったことのある人でしたらご存知だと思いますが、ヨーロッパ諸国は、国によって考え方や気質が大きく異なります。
例えば、会計基準ひとつとってみてもそうです。
日本で会計基準と聞けば、アメリカやイギリスの基準を身近に感じるかと思います。
実際、アメリカの会計基準は、イギリスから輸入されていますし、それがほぼそのまま日本に輸入されたようなものですからね。
簡単に言うと、この3ヶ国に共通した考え方は、「市場から資本を調達する」という考えです。
これに対してフランスは、もともと農業国ですから、あまり資金調達を必要としません。
で、更に言うと、フランスは国が経済の計画を立て、企業がそのとおり達成できているか?という概念で会計を考えるので、社会主義的感覚が色濃いと言えます。
片やイタリアはというと、もともと簿記や銀行発祥の地であるという事からも、商売感覚が鋭いという印象を受けます。
ただしここ数年は、財政の悪化からEUから締め出されないよう、なんとか皆さんに合わせようと頑張っている感じ(笑)。
昔は、イタリア南部で共産主義が広がっていたようですが、現在はそんな感覚も薄れているようですね。
ここに一応付け加えておくと、ドイツの会計もこれらと少し異なります。
ドイツは、コンツェルンが多く、その企業グループの中に銀行が含まれているため、こちらも市場からの資金調達を必要としません。
コンツェルンとは、要は「財閥」みたいなものですね。
こうしてみると、EUって、よく成り立っていると思いますよね。
日本人からすると、「国も近いし、何かと便利でしょ?」なんて思いますが、歴史的にも歩み寄れない部分が多いようです。
日産は助かった?
今回の一件で、一番助かったのは日産かもしれませんね。
このまま撤回せずに、経営統合が完了していれば、日産の立ち位置も微妙になっていたでしょう。
何だかんだ言っても、日産が現在優位な立場にあるのは、規模の大きさが理由です。
しかし、ルノーとFCAが統合してしまえば、日産の影響力も落ちるわけで、今までのように強気な交渉は出来なくなるでしょうね。
また今回、フランス政府は、FCAに対し「ルノー出身者が、CEOになる事を確約せよ」とか、「フランス政府の人間を取締役に選任せよ」など、まぁ、ありとあらゆる要望を申し入れていたようです。
これでは、フランスばかり得しているようなもの。
現在、日産に対してフランス政府は大人しくしていますが、いざ統合となったら、同じようなことが起きるんでしょうねぇ~。
そう考えてみても、日産は「フランスの本性が透けて見えた」分、今後の参考になるかもしれません。
まとめ
こうなる事は、ある程度予測していましたが、まさか、たった10日で撤回するとは驚きです。
うーん、やはり今後、時事ネタはやめておきましょう(笑)。
まぁ、わたし的には、マセラティの経営が良くなることを願うだけですので、こういった素早い経営判断は好感が持てます。
ただ、早いとこ新型車の発表をして欲しいのですが(笑)。