FCAとルノーが経営統合。マセラティはどうなるか?

日々のこと

こんにちは、ロッソです。

週明けから、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)とルノーの経営統合が、新聞などでにぎわっていますね。

正直わたし、こういった時事ネタみたいのはあまり興味が無いのですが、FCAはマセラティの親会社なので、このブログにも関係あるかと。

まだまだ交渉段階のようなので、決裂する可能性もありますが、仮に統合すれば、マセラティにも何らかしら影響があるのは間違いありませんね。

という事で今回は、マセラティを中心に、この経営統合について考えてみたいと思います。

目次

自動車業界の再編が始まる?

これまで、各自動車ブランドは、何度も統合や解消を繰り返して来ました。

一番記憶に新しいのは、リーマンショック後の再編でしょうか?

この時は、「経営再建」という事がメインでしたが、基本的に今回のルノーとの統合は、そういった流れとは少し異なるかと。

というのも、両社とも「今すぐ倒産しそう」という訳ではないからです。

 

では、何を目的にしているかと言えば、「生き残り」を重要視したという事でしょう。

 

現在、自動車メーカーのライバルは、同じ自動車メーカーだけではありません。

新しい技術、例えば「自動運転」「電気自動車」「カーシェア」などにおいては、GoogleなどのIT企業も参加しているので、今後先行きがどうなるのかわかりません。

規模の拡大を図り、事前に手を打っておくことで、何があっても対応できるようにしておきたいというのが本音だと思います。

ルノーにとっても「渡りに船」

ここ数年、ルノーは色々ありましたよね。

 

・・・まぁ、詳しく言わなくとも、皆さんご存知だと思いますが(笑)。

 

ルノーからすれば、とにかく抵抗する日産を口説くよりは、前向きなFCAと統合したほうが、断然楽です。

また、同じ欧州地域の企業同士ですから、交渉もスムーズにいきやすいでしょう。

まぁ、これで日産がどう動くかは興味が湧くところです。

 

ここで、何故、ルノーが日産に固執するのかについて。

 

わたしがお伝えしなくとも、皆さんご存知だと思いますが、一応念のため。

現在フランスは、あちこちでデモが発生し、本当に治安が悪くなっています。

これ、新聞では「マクロン政権になってから・・・」なんて言っていますが、実際にはもっと前からなんです(わたしの主観で言えば)。

 

一番の理由としては、失業率の上昇が原因だと言われています。

 

フランスは本来農業国ですから、工業があまり発展していません。どちらが優れているとは言えませんが、一般的に、工業の方が雇用対策を行いやすいですよね。

で、雇用を増やせば、デモも鎮静化するだろうという事です。要は、「日産の車もフランス国内で作ってよ。そしたらフランスの雇用も改善するじゃん」という事(笑)。

「えっ?でも、ルノーって民間企業でしょ?国策なんて関係ないよね?」

と、思いそうですが、ルノーの大株主はフランス国家ですから、国を挙げて動いているのです。

また、フランスは民主主義国家ですが、昔から社会党が強い背景もあり、社会主義的政策が色濃い国です。

ミッテラン大統領なんかは有名ですよね。

アメリカなどの「バリバリの資本主義国家」からすれば、「国が企業の株主なんて・・・」となりそうですが、フランスは昔から「むしろこれが国民のためだ」という意識が強いのです。

マセラティにとってはどうなのか?

では、このブログにとって一番の関心事は、「マセラティにとってはどうなのか?」という事です。

これまで、多くの記事でお伝えしてきましたが、ここ数年のマセラティは、売り上げがかなり低迷しています。

また、「これからは、電気自動車を作る」と言っても、なかなか完成せず、つい最近なんかは「やっぱりガソリン車もやる」なんて言い出して、かなり迷走しています。

 

低迷して、迷走するという散々な状態(笑)。

 

要は、技術力と開発費の無さが原因かと思います。

やはり、新しい技術開発は、お金も時間も必要ですからね。

そんな折、ルノーと経営統合すれば、自社に足らない技術を提供してもらえるので、お金と時間を節約する事が出来ます。

また、日産は「リーフ」という電気自動車を販売しているので、欲を言えば、日産にも参加してほしいところでしょう。

 

しかし、これまでマセラティが何よりも懸念していたのが、「欧州排ガス規制」ではないかと。

 

直近で言うと、2021年までにある一定のCO2削減を達成しなければ、高額の罰金を支払わなくてはいけません。

ですから、「電気自動車に参入する」と宣言したのでしょうが、中々上手くいかない・・・。

「時間が迫っている、あぁ、どうしよう?」と考えた末、「あっ、ルノーと合併しちゃえば楽じゃん」と、思ったかはわかりませんが(笑)。

とにかく、マセラティにとっては、「今のところ」はプラスに働くと考えられますね。

まとめ

以上、マセラティにとっては都合の良い内容ばかりに思えますが、今後、色んな課題は出てくると思います。

例えば、経営統合後の本社をオランダにするようですが、これもひと悶着ありそうな・・・。

「オランダは税金が高い」なんて話も聞きますが、色々裏技もあるとか無いとか・・・。

まあこれは、知り合いに公認会計士の人がいれば聞いてみて下さい。

個人的には、スムーズに進んでくれると良いなと考えています。