高級車のリコールについて考える① - マセラティはどんな感じ?

故障

こんにちは、ロッソです。

わたしがそもそもこのブログを作ったきっかけは、プロフィールをご覧いただけるとわかると思いますが、「マセラティに関する情報がとても少なかった」という事からでした。

 

そしてその時、同時に思ったのが「どれくらい故障するの?」という事。

 

そんな風に考えている方もいるかと思い、あれこれと書いている訳ですが、故障に関して言えば「思ったほど無かった」という感じです。

ただ、リコールに関して言えば、過去に数回あったのは事実。

新聞などでよく目にする「リコール」ですが、多くの人が知っているようで、実は詳しくは理解していないかもしれませんね。

そこで今回は、リコールについて少し考えてみようと思います。

目次

リコールってなに?

そもそもリコールは、自動車に限らず世の中で販売されている商品ほとんどで発生していますよね。

 

恐らく、新聞やチラシなどで「○○の製品を回収しています」なんて文言を見たことがあるかと思います。

 

これは、その製品における設計や製造段階を原因とする不具合が発見された場合、その製品を製造しているメーカーや輸入業者が自主的に回収し、無料で修理するというものです。

そして、その商品によって、管轄する行政や法律が異なるということなのです。

で、自動車に関連している法律が「道路運送車両法」というもので、管轄しているのが国土交通省となります。

ほとんどの一般的な製品は「自主回収」ですので、厳密に言えばリコールではありませんが、自動車などの「命に係わる」製品は、このように法律できちんと手順などが定められています。

「リコール=悪」ではない

「不具合」などと聞くと、「えっ?なんか怖い。大丈夫かな?」なんて思ってしまいますよね。

 

実際、リコールに対するイメージはあまり良くないかもしれません。

 

しかし、リコールの内容も様々で、例えば「法律で定められたシールが貼られていないから取り付けます」なんてものから、「発火の可能性があるので、部品を交換します」というものまで多岐にわたります。

まぁ、「発火の可能性がある」なんて聞けば怖いですが(笑)。

ですから、一律に「リコール=悪」ではない事がわかります。要は「内容による」という事でしょう。

むしろ怖いのは「リコール隠し」

しかし各メーカーからすると、リコールというのはブランドイメージをダウンさせることもあるので、出来るだけ表面化させたくないのが本音です。

となると、安易な考えを持つメーカーは「リコール隠し」へと走りがちになってしまいます。

メーカー名は出しませんが、記憶に新しいのは「エアバッグ」のリコール問題でしょうか。世界的にも注目を集め、とうとうこの会社は倒産してしまいましたね。

また、十数年前に日本の自動車メーカーで、悪質なリコール隠しが社会問題になりました。

このメーカーは倒産まではしませんでしたが、「隠ぺい体質会社」として、いまだに評判が悪いようです。

 

こう考えると、不具合が発見された時点で、迅速にリコール対応をするメーカーの方がむしろ信頼できるかもしれません。

 

また、アメリカは訴訟大国ですので、アメリカで販売しているメーカーは、この対応が遅れてしまうと、とんでもない額の賠償金を払わされる事になります。

ですから、起きてしまったら素直に「ごめんなさい、直します」と言わないと、ブランドイメージどころか、会社の存続すら危なくなってしまいますよね。

ただ、我々消費者からすれば、「そもそも不具合が無いほうが良い」というのが本音ですが(笑)。

メーカーによって異なる対応

今でこそ、各メーカーはリコールに対して前向きになっていますが、少し前まではどこも消極的でした。

例えば、わたしが以前所有していた車のメーカー。

明らかに電気系統に問題があり、何度修理に出しても改善しない。

そこでわたしが、「本部に聞いてみたらどうですか?」というと、数日後、衝撃の回答がありました。

それが、

 

『個体差ですから』

 

・・・わたし、しばらく何も言えずポカーンと。

あの時の顔、写真に撮っておけば良かったなと(笑)。

あくまでもこのメーカーは、設計や製造上の欠陥ではなく、個体差があるのでしょうがないと押し通していました。

 

でも、個体差って・・・(笑)。

 

まぁ、わからなくもありませんし、対応してくれた整備の方に、何を言ってもかわいそうなだけです。

このようにお役所的な対応をするメーカーもありますが、片や、迅速に社内で情報を共有しようとするメーカーもあります。

長期的に見て、どちらのメーカーが繁栄するかは、考えなくてもわかることですよね。

マセラティのリコール状況は?

ではここで、マセラティのリコールの実績と、その内容についてお伝えします。

車種や年式によってリコールの内容が変わりますので、ここではギブリのベースグレードを例に挙げてみます。

また、対象の期間は2016年度~2018年度の3年間とします。

マセラティギブリ(ベースグレード)のリコール

  • 2016年4月26日届出

【内容】

運転席のフロアマットを固定しない状態で使用すると、当該マットを固定するピンが運転者の足等の接触により破損することがある。そのため、フロアマットが前方にずれ、アクセルペダルを一杯に踏み込むと、アクセルペダルの先端がフロアマットに引っかかり、エンジン回転数が下がらなくなるおそれがある。

わたしの感想

当時被害も出ていませんでしたし、これに関してはマセラティ自体の危険予知といった内容で、むしろ好感が持てました。

 

  • 2016年7月1日届出

【内容】

後輪のトーインを調整するトーインロッドにおいて、取付ボルトの製造指示が不適切なため、必要なボルトの軸力が発生していないものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、走行振動等により緩みが生じ、トーインの値が基準を外れて走行安定性が損なわれ、最悪の場合、取付けボルトが外れて走行不能となるおそれがある。

わたしの感想

正直、何を言っているのか意味がわかりません(笑)。しかし、修理したほうが良い事はわかります(笑)。

 

  • 2017年3月24日届出

【内容】

変速機のシフトレバーにおいて、シフトポジションを選択後に当該レバーは中央位置に戻る構造のため、車両が停止する前にPレンジにシフトしようとしてもできないが、運転者はPレンジにシフトしたものと誤認することがある。そのため、駐車ブレーキをかけずに車外へ出ると車両が動き出すおそれがある

わたしの感想

確かにこれは少し怖いですね。実際、マセラティのシフトレバーは他のメーカーに比べて、どのレンジにあるか少しわかりにくいと思います。

 

  • 2017年3月24日届出②

【内容】

燃料供給パイプの製造が不適切なため、接続カプラー取付部のパイプの内側が損傷しているものがある。そのため、接続カプラー取付部に隙間が生じて燃料が漏れ、最悪の場合、火災に至るおそれがある

わたしの感想

段々と重たい内容になってきました(笑)。しかしこの不具合は、メーカー自体が発信した内容ではなく、ユーザー側からの発信を汲み上げたものですので、その点では好感が持てますね。

 

  • 2017年6月26日届出

【内容】

運転者席において、電動調整機構(電動パワーシート)の配線の配索が不適切なため、シートが稼働した際、当該配線がパワーシートモーターの端部と接触することがある。そのため、配線が損傷して短絡し、パワーシートが動かなくなり、最悪の場合、短絡部位が発熱し、火災に至るおそれがある。

わたしの感想

うーん。確かにちょっと、マセラティは電気系が弱いところがありますよね。

 

これ以外に細かく挙げれば何点かありますが、対象とする車の生産時期の違いや輸入時期の違いもあるので、全て列挙するのはちょっと違うかと。

一応、ここに挙げた内容は、同一の型式のギブリを基準にしました。またこの型式で、2018年度のリコールはゼロとなっています。

 

3年間で5回のリコール。

 

さてあなたは、これを多いと考えるか、少ないと考えるか。どちらでしょうか?

まとめ

今回はわかりやすいように、ギブリを対象としてリコールの内容をお伝えしましたが、同じマセラティでも車種によってはリコールの回数が全く違ってきます。

ですから、単純に「マセラティはリコールが多い」とも言い切れません。

また、このギブリの「3年間で5回」というリコール回数は、実際に多いのか少ないのかもわかりません。

更に、厳密に言うとこの5回の対象になっていない車もあるので、人によっては3年間で3回だけという人もいるかと思います。

 

うーん・・・。自分で記事を書いておきながら言うのもなんですが、このリコールって、単純に比較が出来ませんね。

 

まぁ今回は、大まかなリコールの内容と、マセラティはどんな感じなのかご理解いただければと。

次回はこれを踏まえ、他の自動車ブランドとマセラティのリコール内容について比較してみたいと思います。