こんにちは、ロッソです。
前回の記事『雪道素人の体験談』では、雪道素人のわたしが、雪深い地域で経験したことをお伝えしました。
雪国にお住まいの方からしたら、当たり前の事ばかりだったかもしれませんが、多少はお役に立てたかと。
雪の降らない地域に住んでいると、4輪駆動車やスタッドレスタイヤを装着していれば安全だと思いがちですが、実際は違うようですね。
わたしは、マセラティではまだ雪道を運転したことはありませんが、今後購入される方や、現状所有している方もいるかと思います。
そこで今回は、わたしなりに考える「マセラティでの雪道対策」についてお伝えしようと思います。
目次
イタリアでも雪は降る
マセラティの本社は、ご存知の通りイタリアにあります。
イタリアと聞くと、温暖で過ごしやすいイメージがありますが、実は雪が降る地域もあります。
例えば、シチリア島などは冬でもあまり寒くありませんが、北部のトリノという都市は、アルプス山脈のそばにあり、冬季オリンピックが開催されたことからも、降雪があることがわかりますよね。
マセラティの本部がある「モデナ」は、比較的北部寄りになります。
イタリア国内は、経済的に北部の方が栄えていますので、イタリア国内の需要だけを考えても、降雪対策は必要になりますよね。
マセラティの冬用装備
では、マセラティにはどのような降雪対策の装備があるかについて見ていきましょう。
4輪駆動車
以前の記事『マセラティの現行車種②』でもお伝えしましたが、マセラティは現在(2018年時点)5車種のラインナップがあります。
その内、ギブリ、クアトロポルテ、レヴァンテの3車種において、4輪駆動のグレードが用意されています。
もっとも、レヴァンテはSUVですので、全てのグレードが4輪駆動ベースとなっています。
基本的に、4輪駆動の方が雪道の走行に向いていると言われていますよね。
2つのタイヤで地面を掴むより、4つのタイヤで掴むほうが安定性があるというのは理解できます。
ICEモード
マセラティには、シフトレバー横に様々な「ドライブモードボタン」が用意されています。
その内の一つに『ICEモード』というボタンがあります。
上記の〇印の部分ですね。
このボタンを押すことで、通常走行時の状態より、エンジンの働きが「快適性重視」となります。
例えば、ターボの過給装置が「低ブースト」になったり、キックダウンも弱くなったりします。これにより、雪道走行での挙動がおとなしくなります。
「何言ってるか、わからないわー」
と言う人のために。要は、「普段はちょっと荒っぽいクルマだけど、ボタンを押すと優しくなりますよ」という事かと(笑)。
ESCの解除
今日は、わたしにしては珍しく、少し専門的用語が多いですね。
しかし、いざという時のために必要になることもあると思いますので、すこしご辛抱を。
さて、ESCとは「エレクトロニック スタビリティ コントロール」の事を省略した文字です。
このESCについては、また改めて記事を書こうと思いますが、簡単に言うと「この機能が作動していると、コンピューターが勝手に考えて、快適な操作が出来ますよ」という事です。
少し簡単過ぎますが(笑)。
しかし、深い雪道にはまった場合、このESCが作動すると逆に邪魔な場合があります。
通常、雪にはまった状態から抜け出すには、ワザとホイールスピンさせる事がありますが、ESCが作動しているとこれが出来ないので、一旦これを解除することにより、脱出しやすくなります。
ただ、この方法は本当に非常時だけになりますのでご注意を。
雪にはまった時は慌てずに、「あっ、あのブログで書いてたな」と、思い出してみて下さい(笑)。
では、雪国でマセラティはどうしたら良い?
以上の事と、前回の記事『雪道素人の体験談』の内容も踏まえ、マセラティを雪国で快適に使用するための注意点についてまとめてみます。
出来れば4輪駆動を購入。でも油断しない。
確かに、FR駆動(後輪駆動)より、4輪駆動車の方が雪道での走行は安定します。
しかし、雪国の現実を考えると、車高の低いギブリやクアトロポルテでは、車高以上の積雪深では役に立ちません。
そう考えるとレヴァンテが活躍してくれそうですが、数10cmを超す大雪では、マセラティに限らず、どの車でも一緒ですよね。
ですから、出来るだけ油断しない事。
ただ、圧雪された雪道であれば、ギブリやクアトロポルテの4輪駆動でも問題なく走行できると思いますので、出来るだけ4輪駆動車を購入された方が良いと思います。
スタッドレスタイヤは必ず購入。でも過信しない。
ハッキリ言って、スタッドレスタイヤでも雪道ではそんなに止まりません。
経験者のわたしが言うのですから、間違いない(笑)。
しかし、夏用タイヤに比べれば、違いは歴然です。
まれに、4輪駆動車だからといって、夏用タイヤでスキー場に行く人がいるようですが、あれは危ないですので、絶対にやめたほうが良いですよ。
ツルツルのスリッパを履いて、スケート場に行くようなものです(笑)。
とにかく、最低限スタッドレスタイヤは購入しましょう。
念のため、チェーンも常備
今までは、スタッドレスタイヤさえ装着していれば、どんなに大雪でも高速道路など通行させてもらえましたが、今年(2018年)から、タイヤチェーンを装着していないと通行できない場合があるようです。
詳細については、記事を書いていこうと考えていますが、タイヤチェーンも常備しておいたほうが良いですね。
実際、タイヤチェーンを装着すると、雪道での走行性はスタッドレスタイヤより格段に上がります。
ただし、取り付けに不備があると、ボディーを傷つけてしまうので注意が必要ですね。
また、ここで少し残念なお知らせがあります・・・。
実は、市販されているタイヤチェーンのほとんどが、マセラティのような高級車を想定していません。というのも、マセラティ各車種は『タイヤがとても大きい』からです。
ギブリでも、ベースグレードであればそれほどでもありませんが、ギブリS以上になるとリアタイヤで「275/40R19」などという大きさになります(これ以上になる事も)。
また、レヴァンテなどはレヴァンテS以上になると、リアタイアが「295/35R21」などという、もはや意味不明な大きさになります(笑)。
ですので、通常タイヤチェーンは駆動するタイヤに取り付けますので、後輪駆動であるギブリSや、クアトロポルテSなどは選択肢がないようです。
しかし、4輪駆動車であれば、前輪に取り付けることができますので、となると、少しではありますが、対応するチェーンは販売しています。
ここで、その一部をご紹介しておきます。
他にも、タイヤチェーンと呼べるかどうか難しい「布製」のものもありますが、チェーン規制に対応しているか不明ですので、今回は掲載していません。
タイヤチェーンを取り扱うメーカーは幾つかありますが、マセラティのタイヤに対応しているメーカーは「ほぼ無い」と考えたほうが良いかもしれません。
基本的に、減速はアクセルワークで
通常、車を減速させるためにはブレーキペダルを踏みますが、マセラティのブレーキは一般的な車に比べ、効きが強くなっています。
ですからいつもの調子でブレーキを踏むと、スピンの原因となってしまいます。
これを防ぐためにも、車間は十分にとっておき、減速時はアクセルペダルを離すことでコントロールするようにしましょう。
また上記の「ICEモード」を使用すると、パワーが抑えられますので、これを併用すると安心ですね。
まとめ
如何でしたでしょうか?
日本もイタリアと同じく、南北に長い国です。
ですから、降雪のある地域と無い地域があるのは仕方がありませんね。
しかし最近は、九州でも大雪が降ったりと、通常では理解できない気候になっています。
ですから、マセラティに限らず、少なくともタイヤチェーンくらいは常備しておきたいものですね。