こんにちは、ロッソです。
ここ数年、日本国内の自動車販売台数は低迷気味ですが、いわゆる超高級車と呼ばれるメーカーは、一部を除いて好調を維持しているようです。
・・・まぁ、その一部とはマセラティの事ですが(笑)。
このブログ内でも何度かお伝えしていますが、特にフェラーリやベントレーなどは、前年対比でかなり業績を伸ばしているようです。
ベントレーはともかく、やはりフェラーリは強いですね~。
で、このフェラーリ人気、意外な自動車メーカーの販売台数を牽引しているってご存知でしたでしょうか?
そこで今回は、どういったメーカーが、どういった仕組みでフェラーリ人気を享受しているかについてお伝えしようと思います。
目次
フェラーリの陰に隠れたメーカー
さて、そのメーカー、結論から言うと、
「マクラーレン」
なのですが、これ、皆さん想像できたでしょうか?
今年(2019年)9月までの、フェラーリの日本国内における新車販売台数は707台で、2018年9月までの実績が578台でしたから、前年比122.3%となっています。
これに対しマクラーレンは、今年の9月までの新車販売台数が298台で、前年が159台でしたから、前年比187.4%です。
今年の消費税増税前の駆け込みもあるでしょうから、一律に比較は出来ませんが、どちらのメーカーもかなり好調であることがわかります。
ちなみに、知りたくないかもしれませんが、マセラティの前年対比は95.8%と散々な状態(笑)。
まぁ、如何にメーカー間に格差があるかが分かります。
ここで、「マクラーレンがフェラーリの恩恵を受けてる?単純にマクラーレン人気が出ているからでしょ?」なんて言う人もいるかもしれませんね。
確かにそれもあるでしょうが、実はそれ以外にも様々な要因があるようです。
フェラーリの経営方針
その要因を知るためには、まずはフェラーリの経営方針の内容について知る必要があります。
それでは、代表的なものについて見ていきましょう。
フェラーリは「売らない」
まずは、フェラーリは「売らない」という事から。
これ、世界的に有名な話ですよね。フェラーリはどこの国に行っても人気ですが、いくら需要があったとしても供給を増やそうとはしません。
つまり、顧客が「売って欲しい」とお願いしても、フェラーリ側としては「いや、もう売り切れだから」と、あっさり断るという事。
「スープがなくなったから、今日はおしまいね」と、客を帰す人気ラーメン店のようなものです(笑)。
するとそのお客さんは、「どんだけ旨いラーメンなんだ?よし、明日こそ食べてやる!」と、意欲を燃やす訳です。
こうなると、ドンドン行列は長くなりますよね。
これと同じで、要はフェラーリはお客さんの「買いたい欲求」を煽る事で、更なる人気を得るという好循環をあえて作っているという事。
現在はモノが溢れている時代ですから、このような企業は珍しいと言えるでしょう。
とは言え、昔に比べて少しづつ生産台数は増えているので、つかず離れずの「ツンデレ」といったところでしょうか(笑)。
フェラーリは「客を選ぶ」
次に、フェラーリは「客を選ぶ」という事。
お客さんの方から「どうしても買わせてくれ」というのですから、フェラーリ側からすると「うん、君は良いけど、君はダメね」なんて事も、簡単に出来てしまいます。
あまり露骨ですと嫌われますから、販売店などでは「もう売り切れてしまいまして」と言えば良いだけの事。
これ、昔からフェラーリは有名ですよね。
要は、「新車で買うなら、それなりのお客さんじゃないと売りませんよ」という事なのですが、ここで言う「それなりのお客さん」とは、これまで何台もフェラーリを所有している人や、それなりに社会的影響力のある人を指します。
「社会的影響力のある人」といっても様々ですが、最近であれば、「有名な企業経営者」や「芸能人」、「インスタグラマー」など、メディアへの露出が多い人でしょうね。
基本的にフェラーリは広告を打ちませんから、こうした影響力のある人たちが「フェラーリ買いました」なんて、自身のメディアなどで公開してくれれば、それだけで認知度の向上に繋がります。
こういった社会的影響力のある人は、すぐにでも新車を購入できるかもしれませんが、それ以外の人は「まずは中古から購入」しなければ、新車の購入は難しくなっているでしょうね。
ちなみに、わたしはかなり若い頃フェラーリの店舗に行った事がありますが、声すら掛けてもらえませんでした(笑)。
フェラーリは「待たせる」
そして最後が、フェラーリは「待たせる」という事。
これはどういう事かと言うと、注文から納車までの時間がかなり長いという事です。
在庫があれば早い事もありますが、人気車ともなれば「2年待ち」なんてのもザラです(実際、わたしの知人も1年8ヶ月かかったとか)。
これは、工場の稼働状態などの理由もあるでしょうが、基本的にはフェラーリの経営方針といえるでしょう。
通常、誰でもお客様から注文があれば、「早くお届けしなくちゃ」と考えると思いますが、フェラーリは違います。
「遅くなっても最高品質のものを」という意図もありますが、何よりもやはり「お客さんが長蛇の列」をなしていることにも原因があります。
また、基本的に「お客をじらす」方針ですから、「何もそんなに焦る必要もないよね」という事もあるかと。
うーん、日本でこんな企業、聞いた事ありませんよね~。
フェラーリの何が影響しているのか?
では、このフェラーリの経営方針と、今回のマクラーレン人気、一体何が影響しあっているのかという事ですね。
それぞれの理由について見ていきましょう。
フェラーリを購入できなかった層の流入
まずは、「フェラーリを購入できなかった層の流入」。
これ、意外と多いようです。
「よし、ある程度お金も貯まったし、いっちょフェラーリでも買ってみるか」なんて人が、いきなり販売店に行っても、フェラーリは「売らない」「客を選ぶ」のですから、そもそも簡単に購入できるわけではありません。
運が良ければ買えるかもしれませんが、断られる可能性が高いでしょう。
するとこういった人は、「お金、あるのに・・・」となり、渋々他のブランドに行く事になるのですが、同じような超高級車ブランドとしてマクラーレンやランボルギーニに行く事が多いようです。
ですから、こういった「お金はあるけどフェラーリを売ってもらえなかった人達」が、その代わりとしてマクラーレンを購入する事があるようです。
フェラーリ納車までに・・・
次が「フェラーリの納車までに購入する」という人。
これ、どういった事かよくわかりませんよね。
要は、「フェラーリは購入したけれど、納車までに時間があるから、それまでに他の車を購入しよう」という事で、その車がマクラーレンだったというお話。
もう凄すぎて、説明してもよく分かりませんよね(笑)。
現実離れした話に聞こえると思いますが、これは実際にディーラーの営業マンから聞いた話です。
とある経営者の方が、「フェラーリを購入したけど、納車まで時間があるから」という事で、ふらっとマクラーレンの店舗に訪れ、実際に試乗してみたら「これ、いいじゃん!」ということでお買い上げ。
・・・うーん、お金って、あるところにはあるものです(笑)。
フェラーリとしても、お客さんをじらすのは良いですが、他に魅力的な車があれば、このようなお客さんも増えてくるという事ですよね。
まとめ
さて、如何でしたでしょうか?
もちろん、純粋に「マクラーレンが好き」というお客さんが増えているのも事実ですから、一律に「フェラーリのお陰」という訳ではありません。
しかし、実際にここで説明したような現象が起きているのも事実のようです。
さて、今後マクラーレンがどれくらい伸びていくのか楽しみです。