こんにちは、ロッソです。
さて、前回の記事でも少し触れましたが、2018年11月15日に「国土交通省」と「警察庁」が、「チェーン規制等に関する改正案」のパブリックコメントを開始しました。
その発表後、各報道機関が「チェーン規制強化開始」などと発表したものですから、
「えっ?スタッドレスタイヤ車でも必要なの?」
とか
「すごく迷惑・・・」
などと言う意見が増えたように感じます。皆さん、結構困惑しているようですね。
あたかも「雪道は、タイヤチェーンを装着しないと罰せられますよ」みたいな事を記事にしている人もいますが、これは正確な情報ではありません。
しかし、情報が多すぎてわかりづらいのも事実です。
そこで今回は、この「チェーン規制等の改正案」についてお伝えしようと思います。
目次
「パブリックコメント」って何?
そもそも行政機関(国や県など)は、今回のように命令などを制定・改正する時には「広く意見を求めなくてはならない」と法律で決まっています。
一応、行政手続法というのがそれなのですが、ここはあまり深堀しても楽しくないので、この程度に。
パブリック(公共)のコメント(意見)ということで「パブリックコメント」。
簡単に言うと、「命令とか規則とかって、国民を縛るものでしょ?だったら、ちゃんと意見を聞いときなさいよ」という事かと(笑)。
そこで今回「国土交通省」と「警察庁」が、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」の「命令の一部を改正する」という、とても親切な日本語(笑)で書かれた「命令案」を発表したので、同時に意見(パブリックコメント)を募集したということです。
えぇ、本当はただ「意見を募集した」だけなんです。
わかりにくいですよね(笑)。
しかし大抵の場合、よほどの事が無い限りこの数日後、これらの命令の内容が確定します。
ですから、報道機関は「チェーン規制強化が決定」などと、パブリックコメントの募集の段階で報じるのです。
本来の目的は、広く意見を募ったうえで、その意見を参考にして内容を改善するという事ですので、内容が変わる事もあるのですが・・・。
まぁ、細かい事は置いといて。
ただ今回、スケジュールの予定として、「平成30年12月上旬 公布・施行」とも書かれていたので、「概ね決定するんだろうな?」とも捉えられます。
結局、何が決まったの?
結論から言いますと、「厳密に言えば、まだ検討中」なのです。
一応、2018年12月14日の報道では「従来であれば通行止めになる区間」を「タイヤチェーン装着車のみ」「通行可能」にする「時間帯がある」区間を決定しました。
わかりにくいですね(笑)
簡単に言うと、「今後規制が強化しますよ」ではなく、「大雪になると通れなかった道だけど、チェーンがあれば通れる時間帯を設けますよ」という事なのです。
通常、とんでもない大雪になれば、完全通行止めにして除雪作業をしなければなりません。
しかし、完全通行止めにする前、チェーン装着車であれば、一部の時間帯は通行しても良いですよ、という事。
とりあえず今年は試験的に様子見の段階です。だから検討中という事なのです。
ですから「現状」では、そこまで過敏になる必要は無いのではないかと。
また、今後様子を見ながら対象区間を拡大する予定らしいですが、今回は下記の一般道路6区間と、高速道路7区間の計13区間となるようです。
- 一般道路対象区間
- 高速道路対象区間
出典:国土交通省HP
マセラティ各車種への影響は?
他の車と同じように、例えばレヴァンテのように4輪駆動のSUVでも当然チェーンを装着しなければいけません。
しかし今回、パブリックコメントに寄せられた意見を見ていると「なるほどなぁ~」というものがありました。
まずは、
チェーン着脱時に、事故や渋滞が発生する懸念
確かにこれは考えられますよね。今回、986件の意見が寄せられ、それを整理した意見の総数1926件のうち、206件も指摘されていたようです。
通常、チェーンの着脱なんてあまりしませんよね?わたしも今は、数年に1回程度ですから、その度にあたふたします(笑)。
そして次に、
対応するチェーンがない(大型SUV、一部輸入車、エアサスペンション付き車両等)
これは盲点でした。
確かにこれは本当にそうかもしれません。特にレヴァンテSですと、後輪のタイヤサイズは295/35で、21インチもあります。
対応するチェーンって、国内で販売されているのかすら疑問ですね。わたし自身、かなり探しましたがマセラティに適合するタイヤチェーンは、ほとんどありません。
一応、「これはギリギリいけるかな?」というものはありましたが、あなたの選択しているタイヤによっては、適合しない場合もありますのでご注意ください。
また、これら以外にも、たくさんの意見(パブリックコメント)がありましたが、何と言いますか・・・。
ほとんどが苦情のような(笑)。
まぁ、興味のある方はご覧になってみて下さいね。
タイヤチェーンの取り付け位置
最近はインターネットのお陰で、簡単に情報を得ることが出来ますので、タイヤチェーンを何処に取り付けたら良いかご存知の方も多いと思います。
しかし念のため、ここでもお伝えしておきますね。
- FF車(前輪駆動車)の場合
前輪の2つのタイヤに取り付けます。
- FR車(後輪駆動車)の場合
後輪の2つのタイヤに取り付けます。
- 4輪駆動車の場合
前後の決まりはありません。どちらか一方のタイヤ2つに取り付けます。
意外と、4輪駆動車の場合は、どうしたら良いかわからない人もいるようですね。
ここで参考のため、国土交通省が作成している「チェーン規制 Q&A」もお伝えしておきますので、興味のある方はご覧になってみて下さい。
まとめ
こうした世の中の情報やニュースは、きちんと調べてみると「意外と大したことなかった」というものが多いかもしれませんね。
実際、今回の改正案が発動する条件は「異常な大雪」の場合です。
そう考えると、対象となる人は限られてきますしね。
ただ、雪国に暮らす人、または遊びに行く人は最低限チェーンは用意しておいたほうが無難です。
「わたしは大丈夫」などと言わず、備えあれば憂いなしという事で。